周囲にチャンピオンズから始めた人が多いため、いつもより丁寧に解説します。

構築の要点
設置技×あくび×メガエースの相互作用
設置技×あくび:設置技による定数ダメージにより、あくび連打を相手を削る行動に変える。
あくび×メガエース:相手に交代か眠りの選択を迫り、メガエースが積む機会を作る。
設置技×メガエース:設置技による定数ダメージの削りにより、メガエースの火力を補う。
以上のように、設置技を展開したうえであくびを使い、交代すれば定数ダメージ、居座れば眠りのどちらかを迫る。いずれもメガエースの全抜きにつながる行動になっており、3主要素が非常に噛み合っている。
対面と展開のミックス
広い技範囲を持つマスカーニャ、あくび連打からフレアソング・たたりめで自身も攻撃に参加できるラウドボーン、高い攻撃数値やさめはだにより設置技以外でもダメージを出せるガブリアスなど、役割が単一になりにくいポケモンを採用した。そのため、勝ち筋が積みエースだけに依存せず、ダメージレースで遅れを取らずに試合を進めることができる展開構築となっている。
構築経緯
最も自分が使いやすい構築の型である、初手対面駒+クッション+エースの並びを組むことにした。
まずクッションとして、環境のメガシンカポケモンの多くを相手にでき、使用に慣れているあくびラウドボーンを採用した。ラウドボーンの弱点を補うように残りのメンバーを選定した。
初手の対面駒には、技範囲が広く、ラウドボーンが苦手とするガブリアス・アシレーヌ・ブリジュラスの弱点を突くことができるマスカーニャを採用した。
エースは、ラウドボーンとの受けのタイプ相性を意識して選定した。地面の一貫を切ることができ、メガシンカ後にはゴースト・悪技を半減できるギャラドスを採用した。
ここまでの3匹が決まった段階で、それぞれの技構成を改めて検討した。マスカーニャにまきびしを採用することで、ラウドボーンのあくびを強力な削り行動に変えられるうえ、ギャラドスの不足しやすい火力も補えることに気づいた。動きの面でもタイプ補完の面でもこの3匹の相性が非常に良かったため、構築の軸とした。
もう1匹のメガエースとして、ラウドボーンが苦手とする悪タイプに非常に強く、ギャラドスを通すことが難しいブラッキー入りなどに選出するサイコキネシス持ちフラエッテを採用した。
フラエッテを通すうえで障害となる鋼タイプを削ることができるクッションとして、HBガブリアスを採用した。
選出画面で相手のマスカーニャをけん制でき、幅広い相手との1対1交換が期待できるCSブリジュラスを採用した。
個体紹介
採用順に並べている
ラウドボーン
@たべのこし
ずぶとい 211(32)-85-154(20)-131(1)-102(7)-92(6)
フレアソング/たたりめ/あくび/まもる
S→アシレーヌやギルガルド、アーマーガアなどを強く意識した。
HBD→使っていてHB振り切りが必要だと思う場面がなかったのでDに回した。うたかたのアリアやメガゲンのシャドーボールを耐えてくれたらラッキーぐらい。
GOAT。独特な耐性が環境に非常にマッチしていた。多くのメガシンカポケモンに対して優位に動くことができるため、ほぼ全ての構築に選出することが可能。明確に不利だと感じたのは、カイリュー・ギャラドス・ゲンガー・ゲッコウガ・カメックス・ライチュウYぐらいである(こいつらには裏のメガ2体のどちらかが強めなので、いても全然選出する)。
ほかのあくびクッションと比較して優れている点は、交代せずにそのまま居座って殴り続ける動きが圧倒的に強いことである。あくびを用いた積み構築では、相手を眠らせた次のターンにエースへ交代し、積み技を使う展開が考えられる。しかし、この動きには相手の最速起きや、交代を合わせられて展開を妨害されるリスクがある。このラウドボーンはC上昇を伴うフレアソングと、実質威力195のたたりめを持っている。そのため、相手を眠らせた後も交代せず、自身を強化しながら相手を大きく削ることができる。相手の残りHPや眠りターン次第では、ラウドボーン自身で相手を処理し、後続まで突破できる状況を作ることも狙える。
技構成について、フレアソング・たたりめ・あくびまではよくある構成だが、まもるはやや珍しい技である。ただの様子見や、たべのこしによるしょっぱい回復のための技に見えるかもしれない。しかし、実際にはあくびの弱点を補うことができる非常に強力な技だった。以下でまもるが特に強かった具体的な3場面を説明する。
1.体力次第で不利なポケモンとの1対1に2/3の確率で勝てる
以下に、ラウドボーンが対面で負けそうなポケモンから受ける攻撃のダメージ計算を掲載する。
このように、抜群技や高火力技であっても、ぎりぎり1発耐えることができる。
ここで、あくび→まもると動くことで、倒されずに相手を眠らせることができる。2/3の確率の最速起きを引かなければ、たたりめを連打して対面勝ちすることが可能になる。以下に、それぞれの相手に対するたたりめのダメージ計算を掲載する(アシレーヌはS振りにより上を取っている前提)。
また、あくびループ中に繰り出された相手のあくびポケモンに対しても、まもるで相手のあくびを防ぎ、そのままフレアソング・たたりめで起点にすることが多々あった。
そのほか、素早さ振り+まもるによってギルガルドに非常に強くなる点も優秀だった。
2.相手の交代技をこちらの崩しの起点に変えられる
あくびループを回避するため、クイックターンやボルトチェンジを持つイダイトウ・ロトム・ハラバリーなどが繰り出されることが多い。
しかし、これらのポケモンにあくびを入れた次のターンにまもるを選択すれば、交代技を防いで相手の交代を阻止しながら、こちらはダメージを受けずに相手を眠らせることができる。
3.眠り対策ポケモンに即負けしない
ラムのみやカゴのみを持ったポケモンを繰り出された場合、その次のターンにまもるを使うことで、相手のきのみを消費させてから再度あくびを入れることができる。このとき、特性てんねんによって、まもるのターンに相手が積み技を使っても能力上昇を無視できる。そのため、まもるの主な裏目は相手の交代のみである。
環境のラム・カゴ持ちはガブリアスやアシレーヌが多かったため、これらのポケモンが繰り出された際には積極的にまもるを選択していた。彼らが繰り出さた時には、何としてもラウドボーンを削るために、ラム・カゴ持ちでなくても居座って攻撃してくる相手が多かった。そのため、相手を見極めることができればまもるが裏目になることはあまりないと考えている。
この技枠にはなまけるを採用したくなる人も多いと思う。しかし、あくび・フレアソング・まもるの3択を適切に選ぶことで、相手に負荷をかけ続けながら、たべのこしによる体力管理を行うことができる。また、数値・耐性(抜群ステロもきつい)的にメジャーなポケモンの攻撃をホイホイと2回耐えられる場面が少なく、なまけるのターンに交代されると不利な展開になってしまう。そのため、クッションラウドボーンになまけるは不要であると主張したい。
マスカーニャ
@きあいのタスキ
いじっぱり 152(1)-175(32)-91(1)-90-90-175(32)
トリックフラワー/トリプルアクセル/けたぐり/まきびし
いじっぱり→削りを意識し特化
技構成は、ラウドボーンが苦手とするガブリアス・アシレーヌ・ブリジュラスへの打点となる3つの攻撃技と、あくびを強力な行動に変え、メガエースの火力を補えるまきびしである。
技範囲が広く、ほかの設置技要員と比較して、対面から数的有利を取りにいく能力が高い。
行動の優先度は、
対面したポケモンを倒せる技 > まきびし > 相手を削る技
と考えている。
対面で1匹を突破できれば仕事として100点であり、まきびしを設置したうえで相手を1発削ることができれば及第点であると評価できる。
ギャラドス
@メガ
ようき 175(5)-177(32)-99-72-120-143(29)
↓メガシンカ!
175(5)-207(32)-129-81-150-143(29)
パワーウィップ/じしん/りゅうのまい/こおりのキバ
S→ドラパルトやメガゲッコウガ抜き
A→構築コンセプトを考えたら、振り切り以外ありえない
ラウドボーンとの耐性補完に優れているものの、無理に交代してサイクルを回すことは少なく、ラウドボーンを倒した相手に死に出しし、そのままりゅうのまいを使う展開が大半だった。
特性いかくや、メガシンカ前後での大きな耐性変化によって、あくびで相手を眠らせなくても安全に舞える場面が多い点が非常に優れている。
技構成は、ラウドボーンが苦手とするガブリアス・アシレーヌ・ブリジュラスを強く意識したものとした。カスタマイズの余地は十分にあり、この構成ではリザードンYやアーマーガアが厳しいため、環境や気分に合わせて技を変更してよい。こおりのキバ、またはじしんの枠を、かみくだくにしていた時期もある。
フラエッテ
@メガ
ひかえめ 181(32)-76-107(20)-165(5)-148-121(9)
↓メガシンカ!
181(32)-94-127(20)-198(5)-168-131(9)
ムーンフォース/めいそう/こうごうせい/サイコキネシス
努力値振り→特に調整とかしてないが、HBに厚く振り場持ちを意識
ギャラドスミラーやブラッキー入りに対して選出する。
ラウドボーンが苦手とする水ロトムやサザンドラなどの一般ポケモンにも強く、サイクルを形成することができる。フラエッテを最後まで残して通すのか、ある程度雑に扱ってラウドボーンで詰めるのかを見極めることが重要である。
最後の1匹として相手のポケモンを複数体倒してもらう必要があるため、能力ポイント・技構成ともに場持ちを重視した。
ミラーを意識した最速以外でこのポケモンに大きく素早さを振るメリットは少ないと考えている。ガブリアス+フラエッテと選出した際の行動順を安定させるため、ガブリアスと同じ素早さにしたが、特に生きた場面はなかった。もっと耐久方面を伸ばすべきであったと思う。
残った1枠には、ブラッキーと組まれることが多い毒タイプのメガシンカポケモンへの打点として、サイコキネシスを採用した。
ちょっとしたテクニックとして、フェアリータイプのポケモンと対面した際には、
フェアリーオーラによる技威力の上昇分 > メガシンカによる特防の上昇分
となるため、すぐにメガシンカせず、通常状態のままめいそうを使ったほうがよい。
ガブリアス
@オボンのみ
わんぱく 215(32)-150-154(25)-90-105-131(9)
じしん/ドラゴンテール/まきびし/ステルスロック
ステルスロックとまきびしで相手のポケモンを削り、メガエースの突破を補助する。
フラエッテを通す場合は、相手の鋼タイプを削ることが重要になる。そのため、対面では安易に設置技を選ばずじしんで直接削ることや、ステルスロックよりもまきびしを優先することを意識したい。
ブリジュラス
@しろいハーブ
うっかりや 165-127(2)-150-194(32)-76-137(32)
りゅうせいぐん/てっていこうせん/10まんボルト/がんせきふうじ
うっかりやCS→耐久は不要と考えているため
実質的に2対2の試合へ持ち込むため、C特化の高パワー型で採用した。りゅうせいぐん+てっていこうせんによって、カバルドンやフシギバナを倒せるほどの火力を持っている。
相手の1体目を倒しきれなかった状態から始まるあくびループは本当に弱い。そのため、ブリジュラスだけで相手を確実に1体倒せる見込みが高い構築にのみ選出した。
終盤少しだけ、フラエッテの枠がHSライチュウYだったこともあった。でんじほうで麻痺させたポケモンをラウドボーンで起点にする動きが強く連勝に貢献したものの、ガブリアスがきつかったため解雇した。
【選出】
マスカーニャ+ラウドボーン+ギャラドス/フラエッテ
まずこの選出で大丈夫か否かをマッチング後1番に考える。
行動保証を持ちながら設置技を使えるマスカーニャは安定感が高く、選出に困った場合は初手に置くようにしていた。2匹目には基本的にラウドボーンを選出し、あくびや攻撃によって場を荒らす。
基本的には最後にギャラドスを通す方針で考えるが、相手にライチュウやギャラドス、ブラッキーが見えた場合にはフラエッテを選出していた。正直どっち投げても勝てそうな相手も多かった。
先に述べたとおり、マスカーニャが対面突破、またはまきびし+削りをこなすことができれば、その時点で有利に試合を進められていると考えてよい。
この選出が無理な場合、以下2匹を選出に組み込むことを考える。
ラウドボーンが受けることのできないライチュウ入りや、受けポケモンの多いサイクル構築にはガブリアスを選出していた。
ブリジュラスは、初手で相手を確実に1体倒せる見込みが高く、その後にラウドボーンやメガエースを通しやすい構築に対して選出した(あまり選出していない)。
【ギャラリー】
終盤での15連勝

最終レート2463へ到達するまでに15連勝した。レート2300程度から無敗だったことが推測できる。
5月マンスリー大会での最高レート

5月マンスリー(前ルール)の最高レート。本構築と同じ軸を使用していた。
ここから放置だと最終10位台で終わっていたが、1桁順位を目指して潜り続けた結果、溶かして最終100位台となった。
【最後に】
並びだけを見れば、環境上位のポケモンを固めただけの構築に感じるかもしれない。しかし、構築の主要素の1つであるマスカーニャのまきびしとラウドボーンの単体性能を大きく引き上げたまもるはどちらも採用率3%以下の技である。この2つの技が今回の結果につながったことは間違いない。仮に、これらの技がテンプレ通りにはたきおとすやなまけるであれば、最終2万位台が関の山だったであろう。
チャンピオンズでは、ダイマックスやテラスタルのようなびっくり要素がなくなり、プレイング面でしか差がつかないと思い込んでいた。しかし、たかだか2つの技枠を工夫しただけでも、各ポケモンが強く連動する明確なコンセプトを持った構築を作ることができ、今回の結果をおさめることができた。構築段階での小さな工夫が大きな結果につながることを実感し、このゲームの奥深さと魅力を改めて認識できた。
以上
質問や感想などがあれば、Twitter@qnh93まで気軽に連絡どうぞ。